Global Insight

グローバル・インサイト

Global Insight vol.58

日付2021/05/21

日本

 

【日本へ帰国した場合の隔離費用等について】

 

 日本の親会社が、新型コロナウィルス蔓延地域の子会社等への海外出向者に対して帰国命令を出し、その帰国旅費や滞在費等を日本の親会社が負担する場合があります。これらの費用の税務上の取り扱いに関してご説明します。(一部、税務通信より抜粋)


 日本の親会社の帰国命令により、日本へ帰国した出向者の帰国旅費や感染防止のための空港からホテルまでのハイヤー代、帰国後の待機要請期間中のホテル代を誰が負担すべきか、という問題が生じます。
 帰国命令を出したのは日本の親会社であり、海外の子会社等の都合によるものではないため、これらの費用を日本の親会社が負担しても良いものと考えられます。
 その場合でも、帰国旅費やハイヤー代はともかくとして、帰国者は自宅に代えてホテルに宿泊するのであるから少なくともホテル代は給与として課税すべきではないか、という意見があるかもしれません。しかし、帰国後のホテル滞在は行政の待機要請によるもので、いわば帰国者に選択の自由はないことから帰国者に経済的利益は生じないものと考えます。


 上記の理由としては、所得税基本通達36-29 において「福利厚生施設の利用料が高額ではなく、役員のみの利用でなければ福利厚生費として認められる」と定められています。
 そのため、福利厚生費としての処理をするには代表者のみならず、会社のルールとして、他の取締役・従業員についても感染対策のために出社させずに、同じホテルもしくは同程度のホテルに宿泊させる必要が生じます。
 また、通達には「使用者が役員もしくは使用人に対し、自己の営む事業に属する用役を無償もしくは通常の対価の額に満たない対価で提供し、又は役員もしくは使用人の福利厚生のための施設の運営費等を負担することにより、当該用役の提供を受け又は当該施設を利用した役員又は使用人が受ける経済的利益については、当該経済的利益の額が著しく多額であると認められる場合又は役員だけを対象として供与される場合を除き、課税しなくて差し支えない」こととなっています。

 

 

※本文より一部抜粋
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